実家じまいは何から始める?後悔しない7つのステップと選択肢を徹底解説

親が施設に入居した、あるいは相続が発生して実家が空き家になった。そんなとき「実家じまいをしなければ」と思いながらも、何から手をつければよいのか分からず立ち止まってしまう方は少なくありません。

  • 片付けから始めるべきか、売却を先に考えるべきか
  • いつまでに動き出せばよいのか
  • 家族で意見が合わなかったらどうすればいいのか

こうした疑問をお持ちの方に向けて、この記事では実家じまいを進める正しい順番と各ステップのポイントをわかりやすく解説します。

この記事の結論

実家じまいは「現状整理→家族の合意→家財整理→不動産査定→最終判断」の順で進めるのがベストです。

目次

なぜ実家じまいで悩む人が多いのか

実家じまいは、片付けや売却だけでなく、相続や家族間の話し合いなど複数の問題が重なるため、多くの方が「何から始めればよいのか」と悩みます。まずは、実家じまいでつまずきやすい理由を見ていきましょう。

やることが多すぎる

実家じまいは「片付け」だけではありません。遺品整理、相続手続き、不動産の査定・売却、各種名義変更、近隣への挨拶、ライフラインの解約など、やるべきタスクが多岐にわたります。全体像が見えないまま動き出すと、抜け漏れや二度手間が発生しやすく、それが「何から始めればよいのか分からない」という感覚につながります。

意見が分かれる

実家は家族それぞれにとって思い出の場所です。「早く売って維持費の負担をなくしたい」という子どもと、「思い出があるから残してほしい」という親や兄弟が対立するケースは珍しくありません。感情が絡むからこそ、合意形成に時間がかかります。

専門知識が必要

2024年4月からは相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければ過料の対象になりました。また売却時には譲渡所得税や空き家特例(3,000万円控除)なども関係してきます。こうした法律・税務の知識は、一般の方にとってハードルが高いのが現実です。

最適解を判断できない

「今すぐ売るべきか、しばらく様子を見るべきか」という意思決定も、実家じまいで多くの方が悩むポイントです。不動産市況、建物の状態、相続人の数など複数の要素が絡み合うため、正解を出すのが難しく感じられます。

実家じまいを放置するとどうなる?

実家じまいは急いで進める必要はありませんが、何も決めないまま放置すると、維持費の負担や建物の老朽化、相続トラブルなど、さまざまなリスクにつながる可能性があります。ここでは、代表的なリスクを紹介します。

維持費がかかり続ける

誰も住んでいない実家でも、固定資産税(年間数万〜数十万円)は毎年かかります。さらに火災保険料、管理費、定期的な清掃・草刈り費用なども発生します。放置すればするほど、維持コストは積み重なっていきます。

老朽化が進む

人が住まない家は劣化が早く進みます。換気不足によるカビ・腐食、害虫・害獣の侵入、雨漏りの放置による構造被害など、時間とともに修繕費が膨らみます。早期に動き出すことが、経済的な損失を防ぐ鍵です。

相続トラブルになる

相続登記を放置していると、次の相続が発生したときに権利関係が複雑になり、売却や活用の際に相続人全員の合意が取れなくなるリスクがあります。早めに名義整理を済ませておくことが重要です。

売却しづらくなる

行政から「特定空家」や「管理不全空き家」に指定された場合、固定資産税の優遇(住宅用地特例)が解除され、税額が最大6倍になることがあります。また改善命令に従わない場合は最大50万円以下の過料が科されるケースもあり、売却前に余計なコストがかかるリスクがあります。

実家じまいは何から始める?おすすめの進め方5ステップ

実家じまいをスムーズに進めるには、感情任せに動くのではなく、正しい順番で一歩ずつ進めることが大切です。

STEP 1

所有者の確認

不動産の登記簿を法務局またはオンラインで取得し、現在の名義人を確認します。親が健在の場合は親名義、すでに相続が発生していれば相続人名義への変更が必要です。

STEP 2

相続状況の確認

遺言書の有無、相続人の人数、遺産分割協議の状況を整理します。相続登記が完了していない場合は、司法書士に依頼して早めに手続きを進めましょう。

STEP 3

建物の状態確認

築年数、耐震性、雨漏りやシロアリ被害の有無、水回りの状態などを確認します。建物の状態によって、売却・活用・解体の選択肢が絞られてきます。

STEP 4

方針を話し合う

売却、解体、貸出、管理継続の選択肢を相談します。意見が割れる場合は、司法書士やファイナンシャルプランナーなど第三者の専門家を交えることも有効です。

STEP 5

家財整理

相続が発生している場合は遺産を勝手に処分するとトラブルになる可能性があります。相続人全員で確認してから動かすようにしましょう。一人では作業量が多すぎる場合は、遺品整理業者への依頼も検討してください。

STEP 6

査定を受ける

家財整理と並行して、不動産会社に実家の査定を依頼します。査定を受けることで「実際にいくらで売れそうか」「どんな条件で売れやすいか」を把握でき、最終的な方針判断に役立てられます。

STEP 7

最終決定

売却、解体、貸出、管理継続の最終的な活用法を決定します。

実家じまいの選択肢を比較する

実家じまいには「売却」「管理継続」「賃貸活用」「解体」など、いくつかの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、実家の状態や家族の状況によって最適な選択は異なります。まずは、それぞれの特徴を比較してみましょう。

売却する

  • 維持費がゼロになる
  • まとまった現金が入る
  • 管理の手間から解放される
  • 売却まで時間がかかる場合あり
  • 仲介手数料が発生する

相続完了・家族全員が合意している場合に向いている

管理を続ける

  • 将来の選択肢を残せる
  • 維持費がかかり続ける
  • 遠方だと管理の手間が大きい

親が戻る可能性がある・将来誰かが住む予定がある場合に向いている

賃貸活用する

  • 維持費を家賃収入でカバー
  • 売却より早く収益化できる場合も
  • 空室リスクがある
  • リフォーム費用がかかる場合あり

交通利便性が高く、建物の状態が良好な場合に向いている

解体して活用する

  • 老朽化リスクがなくなる
  • 更地として売却しやすくなる
  • 解体費用が発生(30坪で90〜150万円)
  • 固定資産税の軽減措置が外れる場合あり

老朽化が著しく・旧耐震基準で売却が難しい場合に向いている

実際に実家じまいを進めたケース

実家じまいの進め方は家庭によって異なりますが、多くのケースには共通する悩みや判断のポイントがあります。ここでは、実際のケースをもとに、どのように実家じまいを進めたのかをご紹介します。

親が施設へ入居

売却

70代の母親が介護施設へ入居することになったAさん(50代)のケースです。実家は築35年の戸建て。「親が戻るかもしれない」と迷いながらも、維持費が月3〜4万円かかり続けていることを家族で確認し、売却を決断。不動産会社3社に査定を依頼したところ、買取と仲介で100万円以上の差が出たため仲介を選択。家財整理から売却完了まで約8ヶ月かかりましたが、維持費の負担から解放されました。

相続後に空き家となった

相続

売却

父親が亡くなりBさん(40代)が実家を相続したケースです。兄弟3人で話し合った結果、「誰も住む予定がないので売却する」という方針に決定。遺品整理業者に依頼して家財を整理した後、売却活動へ。空き家になってから1年以上経過していたため、建物の状態が一部劣化していましたが、リフォームなしの現状渡しで売却できました。

築50年以上の実家だった

売却

解体

築55年の木造住宅を相続したCさん(60代)のケース。不動産会社から「建物付きでは売却が難しい」とアドバイスを受け、解体後に更地として売却する方針に変更。解体費用は約130万円かかりましたが、更地にしたことで買い手がつき、想定より高値での売却が実現しました。

状況別のおすすめ対応

実家じまいの進め方は、親の状況や相続の有無、建物の状態などによって変わります。ここでは、よくあるケースごとにおすすめの対応をまとめました。

状況 おすすめの対応
親が施設へ入居した 早めに売却を検討する
親が健在で戻る可能性がある 管理継続しつつ、方針を決める期限を設ける
相続が完了している 売却または賃貸活用を検討する
築50年以上で老朽化が著しい 解体後の土地売却も選択肢に入れる
遠方に住んでいて管理できない 売却を優先し、管理の手間を解消する

実家じまいでよくある質問

実家じまいは片付けから始めるべきですか?

片付けよりも先に、家族で方針を決めることが重要です。「売る」「賃貸に出す」「残す」によって、何を処分してよいかが変わります。方針が決まらないまま片付けを進めると、後でトラブルになる可能性があります。

売却と解体はどちらが先ですか?

まずは建物付きのまま売却できるかを不動産会社に相談するのが先です。解体が必要かどうかは建物の状態と市場動向によって異なります。解体費用を先に負担してしまうと、売却価格によっては費用回収できないケースもあります。

相続前でも準備できますか?

できます。むしろ親が元気なうちに話し合いを始めることが、最もコストを抑えてスムーズに進める方法です。親の意思を確認しながら片付けを少しずつ進めることができ、いざという時の負担を大きく減らせます。

実家じまいにはどのくらい費用がかかりますか?

30坪程度の一戸建てを想定した場合の目安です。

  • 遺品・家財整理費用:20〜50万円
  • 不用品処分費:5〜20万円
  • 解体費用(解体する場合):90〜150万円
  • 相続登記費用:5〜15万円(司法書士報酬)+登録免許税
  • 不動産仲介手数料:売却価格×3%+6万円(税別)

状況によって大きく異なるため、まずは専門家への相談と複数社への見積もり取得をおすすめします。

まとめ

実家じまいは、思いつきで進めると余計な費用やトラブルにつながります。大切なのは正しい順番で一つひとつ丁寧に進めることです。

  1. 現状を整理する(所有者・相続・建物状態の確認)
  2. 家族で方針を話し合う(売却・活用・管理継続のどれか)
  3. 家財整理を進める(遺品整理業者の活用も検討)
  4. 不動産の査定を受ける(複数社に相見積もり)
  5. 最終的な方針を決定する(売却・賃貸・解体など)

「何から始めればよいか分からない」という方は、まず現状の把握と家族間の話し合いからスタートしてみてください。あなたの実家じまいの状況や悩みに合った進め方を、専門家への無料相談で確認することもできます。

目次
1分で完了 今すぐ無料診断を始める